内容紹介
斎藤茂吉は、山形県上山市在に生まれ、医師を志して一家をなし、かたわら、近代歌人の巨匠となった。子規の根岸派の写生論を継承して、実相観入の歌論に発展させ、万葉集を主とする古典研究には、独自の足跡を残した。また「赤光」にはじまるその歌風は、真の意味の近代性をうちたて、膨大な作品となった。大正期のアララギ時代の現出は、茂吉の歌論と実作によるものといっても過言ではない。茂吉が近代文学史上に残した業績は、まことに広大であるといわざるを得ない。
目次(内容と構成)
第一編 斎藤茂吉の生涯
茂吉のふるさと
中学・一高時代
「赤光」から「あらたま」への時代
長崎時代
滞欧時代
「ともしび」の時代
「たかはら」「連山」「石泉」の時代
「白桃」「暁紅」「寒雲」のころ
戦争時代
大石田時代
晩年
第二編 作品と解説
「赤光」の歌
「あらたま」の歌
「ともしび」の歌
「白桃」の歌
「小園」の歌
「白き山」の歌
年譜
参考文献
さくいん