内容紹介
昭和四十年十一月十二日、『伊豆の踊子』にちなんで、伊豆湯ヶ野温泉に文学碑が建てられた。碑面には川端の字で、『伊豆の踊子』からとられたつぎの一節が刻まれている。
「湯ヶ野までは河津川の渓谷に沿うて三里餘の下里だった。峠を越えてからは、山や空の色までが南國らしく感じられた。私と男とは絶えず話し続けて、すつかり親しくなつた。萩乘や梨本なぞの小さい村里を過ぎて、湯ヶ野の藁屋根が麓に見えるやうになつた頃、私は下田まで一緒に旅をしたいと言つた。彼は大變喜んだ。」
目次(内容と構成)
第一編 評伝・川端康成
孤児
愛
出発
非情
回帰
第二編 作品と解説
十六歳の日記
感情装飾
伊豆の踊子
雪国
千羽鶴
山の音
年譜
参考文献
さくいん