内容紹介
■ 歴史を「教える」とは何か。 2022年度より実施される、高等学校の新学習指導要領では「歴史」系の科目として「歴史総合」「日本史探究」「世界史探究」の授業がはじまる。あらためて、これらの新科目とこれからの歴史教育のあり方を考えるための一冊。
■ 歴史の教員だけでなく、歴史研究者や他科目の教員など様々な著者による多彩な論集となっており、歴史教育の意義を多様な視点から掘り下げる。これまでの「歴史教育」を再構築するための提言。
◆「歴史教育を変革する一冊。歴史をなぜ学ぶのかに応える一冊。」中原淳(立教大学教授)
◆「歴史教育は、すでにここまで進化している。」苫野一徳(熊本大学准教授)
★史学会発行の『史学雑誌』129編5号「2019年の歴史学界―回顧と展望―」において、歴史理論の項目でこの本が紹介されました!
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目次(内容と構成)
序論.歴史を「教える」「学ぶ」―歴史教育のナワバリへの挑戦(皆川 雅樹)
Ⅰ.歴史学と歴史教育の「領域」
歴史学・歴史を「教える」―歴史学研究者の視点から
■歴史学の現場からみた「資料の活用」─マカートニーは何と出会ったか―(杉山 清彦)
■歴史研究と歴史教育における認識の相対化―ユーラシア交流史・海域アジア史を事例として―(四日市 康博)
■大学における歴史学教育の実践(関 周一)
コラム)大学の教養教育と歴史教育(丸橋 充拓)
これまでの歴史教育
■世界史教育の来し方行く末を考える(日髙 智彦)
■日本史教育を考える実践と議論(戸川 点)
コラム)過去の実践記録を読むということ(若松 大輔)
コラム)大学修学能力試験「世界史」からみる韓国の歴史教育(平川 敬介)
歴史学者の思考・歴史学習者の思考
■歴史資料を用いた思考(池尻 良平)
コラム)東洋史学の営みと科学的方法(山下 大喜)
コラム)そもそも「教える」とは(五十嵐 沙千子)
Ⅱ.歴史を「教える」
世界史の授業実践①
■どんな「問い」を生徒は学習すべきか?
-「アクティブラーニング型」世界史授業の実践から-(川島 啓一)
世界史の授業実践②
■問いを通じて学びを深める世界史の授業-同じ問いを軸とした授業-(坂田 匡史)
世界史の授業実践③
■生徒が「問いを表現する」授業とは?(美那川 雄一)
世界史の授業実践④
■史料・ビジュアル教材を活用し思考力・表現力をみがく(山田 繁)
世界史の授業実践⑤
■教えあい学びあう授業-生徒による授業作り-(佐野 浩)
世界史の授業実践⑥
■ICTを活用したアクティブラーニング型授業(大神 弘巳)
日本史の授業実践①
■問いの構造図による授業づくり-壬申の乱と都城-(吉田 英文)
日本史の授業実践②
■複数の史資料を活用してクリティカルシンキングを実践する授業(加藤 潤)
日本史の授業実践③
■「学びに向かう力」を育む等身大の歴史を体感(佐藤 悠人)
日本史の授業実践④
■丁寧なインプットと独創的なアウトプットによる主体的な学びへ(助川 剛栄)
日本史の授業実践⑤
■教科書精読を通じた問いづくり(寺崎 仁樹)
日本史の授業実践⑥
■生徒が「教える」5分間プレゼンテーション(山崎 大輔)
コラム)Agencyの礎を育む国際バカロレアを活用した中学歴史(松澤 剛)
コラム)主体的・対話的で深い学びにつなげる歴史総合の授業設計(中川 耕治)
コラム)地域と関連させる世界史探究の授業(中村 怜詞)
コラム)ICEモデルによる日本史探究の授業(三浦 隆志)
Ⅲ.「歴史教育」をみつめる
ユニバーサルデザインの視点から考える歴史教育
■「問い」を足がかりに、全員参加の歴史授業へ(前川 修一)
「総合的な学習(探究)の時間」から考える歴史教育
■「歴史探究」と「総合的な探究の時間」をつなげる「問いづくり」(梨子田 喬)
コラム)21世紀型教養を目指して-地理総合と歴史教育-(鈴木 映司)
コラム)公民科と歴史教育-「公共」の授業から歴史を考える-(宮崎 三喜男)
コラム)なぜ歴史を教えるのか なぜ歴史を学ぶのか(渡邉 久暢)
コラム)歴史教育に生かす数学的視点-図表の見方と統計手法-(近藤 義治)
コラム)より良い未来をデザインできる生徒の育成(山本 崇雄)
コラム)理科(科学教育)における科学的探究と教師の学び(杉森 公一)
「連携」から考える歴史教育
■モノからメッセージを読み取る 歴史教育における「博学連携」(宮﨑 亮太)
コラム)水中考古学の世界(木村 淳)
コラム)生涯学習としての歴史教育(宮瀧 交二)
「選択」から考える歴史教育
■「選択」を問いなおす歴史教育-歴史にifあり-(中村 長史)
コラム)主権者教育と歴史教育-一人一人が主役になって考える-(原田 謙介)
コラム)皆さんはどんな歴史の授業を受けてみたいですか?(小林 恭士)
コラム)組織的な授業改善に向けて-教材から手法への射程の広がり-(町支 大祐)
コラム)内在する歴史への気づきと学び(荒井 優)
結 ―本書の結びをはじまりとして―
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