内容紹介
もっとも有名な哲学者ソクラテス。
彼は、あらゆるものの本質や真理を知ろうとする「愛知」の精神をもち、自らの生き方を貫くために刑死の道を選びました。
本書はソクラテスの一生と思想を多くのマンガと図解を用いてやさしく解説した、哲学の入門書です。
目次(内容と構成)
はじめに
第一編 ソクラテスの生涯
序 章
1 ソクラテスの死からはじまった哲学
2 死の場面 ダヴィット「ソクラテスの死」があらわすもの
第一章 古代ギリシャの風土と歴史
1 古代ギリシャの風土
風土と理性(ロゴス)/ギリシャ人誕生の神話
2 古代ギリシャの歴史
トロイアとミケーネ/トロイア戦争/トロイアの木馬/よみがえる古代/
ポリスの成立/アテナイの政情/ペルシャ戦争のはじまり/戦争の勝利とアテナイの繁栄
第二章 ソクラテスの生涯と時代
1 青年時代―ペルシャ戦争の勝利と民主政
ソクラテスの生まれた時代/アテナイ民主政の確立
2 壮年時代―第一次ペロポネソス戦争とアテナイの衰退
ペロポネソス戦争の勃発/アポロンの神託/ソクラテスと『雲』
3 円熟時代―「ニキアスの平和」と第二次ペロポネソス戦争
ソクラテスの妻/ソクラテスとアルキビアデス/ソクラテスとプラトン
4 晩年―裁判と死
ソクラテスひとり/告発/裁判/最期の弁明/執行の延期/前日/ひととき/ 旅立ち
第二編 ソクラテスの思想
第一章 ソクラテス以前の思想と哲学
1 思想と哲学
思想/ 哲学/思想と哲学
2 自然哲学―万物の根源と理法の探究
ヘシオドスの宇宙論/自然哲学の成立/イオニアの自然哲学/
ピタゴラス学派とオルフェウスの神話/エレア学派の論理学的存在論/
デモクリトスと多元論/自然哲学の帰結/ソクラテスと自然哲学
3 ソフィストの活動
人間への関心と相対主義の思想/相対主義の行方/相対主義と現代
第二章 ソクラテスの哲学
1 哲学的出発点
ソクラテス問題/求めるもの―人間の哲学/使命―アポロンの神託/
無知の知―「汝自身を知れ」
2 哲学的方法
愛知者への道―弁論術を超えて/エイロネイア―無知のよそおい/ 問答法―真理の探究
3 ソクラテスの思想
善美のことがら/知識について/徳と知/徳は知なり/魂の徳/ダイモン―神の使徒/
善く生きること/死について/魂の不死―最期の問答/
あるべき人間の生き方―魂の世話/哲人からのメッセージ
おわりに
参考文献