内容紹介
一九四一年の夏,第二次世界大戦のさなかのドイツにあって,ブルトマンは,新約聖書の「非神話化」を提唱した。この発言は,それ以後のキリスト教には計り知れない衝撃を与えた。ここに新しく,主体的,実存的な聖書の読み方が示され,現代神学の根本をなすものとなる。この主張は,科学技術の発達した現代世界に生きる我々に,知性を犠牲にすることなく,聖書と取り組み,キリスト教を信じ続ける力を与えてくれる。また真理探究と学問への情熱に生き抜いたブルトマンの誠実な姿はわれわれを感動させてやまない。
目次(内容と構成)
はじめに
Ⅰ 学者となるまで
学生時代
学位と大学教授資格
Ⅱ 『共感福音書伝承史』と『イエス』
様式史的研究
弁証法神学運動への参加
画期的な『イエス』
ナチスの支配
イエスの到来の意味について
Ⅲ 非神話化をめぐって
非神話化の提唱
奇跡について
ボンヘッファーの評価
目に見えない世界について
バルトの対応
ブルンナ―とゴーガルテン
Ⅳ ブルトマンの業績
非神話化以外の著作・論文
ブルトマンの歴史観
Ⅴ ブルトマンと継承者たち
愛と誠実の人
ブルトマンを継承する人々
あとがき
年譜
参考文献
さくいん