内容紹介
自伝文学の傑作『告白録』や最初の歴史哲学の書『神の国』の著巣亜アウグスティヌスは,ヘレニズムとキリスト教を総合し,ヨーロッパ文化の基礎付けをしたことで,「最初の近代人」西洋の教師」と見なされている。また彼は,人間の心と愛を重んじたために「心の哲学者」「愛の思想家」とも言われている。『告白録』において,彼は時間論,人間の意志の問題を詳細に論じる一方で,自らの生涯を美しい文体で告白し,人間の存在そのものを深く正確に描き出す。本書では,アウグスティヌスの生涯と思想を,愛の体験と思想を丁寧に辿っていく。
目次(内容と構成)
はじめに ――アウグスティヌスと私
Ⅰ アウグスティヌスの生涯
一 時代環境
二 幼少年時代
三 青年時代
四 マニ教徒
五 修辞学教師
六 出会いと回心
七 キリスト教会の教師
八 三つの論争
九 晩年
Ⅱ アウグスティヌスの思想
一 概観 ――アウグスティヌスの思想の特色
二 愛の体験と愛の思想
二-一 はじめに ――人間と愛
二-二 アウグスティヌスにおける愛
二-三 愛の体験
二-四 愛の認識とその展開
二-五 おわりに ――愛に生きよ
三 アウグスティヌスの歴史観
Ⅲ アウグスティヌスの主要著作
一 アウグスティヌスの著作の特色
二 主要な著作の紹介
Ⅳ アウグスティヌスの影響
一 ヨーロッパ
二 日本
あとがき
アウグスティヌス年譜
資料と参考文献
さくいん