内容紹介
『一般精神病理学』で有名になった医学徒ヤスパースは,ついで人間存在の心理学的研究から漸次哲学へ移行し,代表作『哲学』(三部作)を著して,一躍大哲学者のひとりを数えられるようになった。彼の哲学は,ニーチェ,キルケゴールの系統を踏む実存主義をもって呼ばれ,ハイデッガー,サルトルらとともに現代における実存主義の代表的哲学者であり,また文明批評家でもあった。
目次(内容と構成)
Ⅰ ヤスパースの歩んできた道
…第一次世界大戦まで
…第一次世界大戦から第二次世界大戦へ
『世界観の心理学』時代
哲学的思索の開始
戦中から戦後にかけて
Ⅱ ヤスパースの思想
ヤスパースの哲学
実在からの哲学
理性による哲学
科学と宗教の間の哲学
ヤスパースの歴史観
歴史の起源と目標
世界史の構造
現代――科学と技術の時代
人類の未来のために
平和と真理への自由
社会主義と世界秩序
哲学的な信仰と生活
あとがき
年譜
参考文献
さくいん