内容紹介
神は死んだ――とニーチェは叫ぶ。今や人間が超人でなければならない。これがニーチェの思想の原型である。そして,彼は存在の本質は生成だとし,「在る」ということは「成る」ことである。つまり「成る力=力への意志」こそ生命そのものであることを述べている。この詩的哲学者の思索は『ツァラトゥストラ』が十二分に物語っている。
目次(内容と構成)
ニーチェについて
Ⅰ ニーチェの精神風土
ニーチェ思想の反時代的な時代性
ニーチェが生きた時代
時代の三大思想潮流とニーチェ
ニーチェをとりまく自然
Ⅱ ニーチェの生涯
「小さい坊さん」の生い立ち ――幼年時代――
魂の独立を求めて ――ブフォルタ学院時代――
良師の理解ある導きのもとで ――大学生時代――
青年と時代の教師ニーチェ ――バーゼル大学教授時代――
たたかうニヒリスト ――新たな価値定立者としての自立――
狂気の中での生の黄昏 ――小児の心への帰郷――
Ⅲ ニーチェの思想
ニーチェ思想の根本性格
ニーチェ思想の発展段階
ディオニュクス的世界観
自由精神の哲学
ニヒリズム対決の倫理
ニーチェ思想と現代
年譜
参考文献
さくいん