内容紹介
イギリス流の自由主義をもとに,人間経験の尊重,人間平等の自覚,合理的精神の徹底を説いた福沢諭吉は,明治の日本の教育,思想界に大きな影響を与えた。しかし,彼は人間の平等を唱える反面,階級社会の現実を肯定するなど,きわめて妥協性にも富んでいた。それが彼をプラグマティストといわせたゆえんでもあった。
目次(内容と構成)
福沢諭吉について
Ⅰ 封建秩序からの脱走
少年のころ
洋学修業
欧米旅行
Ⅱ 文明象の形成と展開
『西洋事情』前後
明治維新のころ
『学問のすゝめ』
『文明論之概略』
思惟方法の改革
啓蒙の旗手
民権と国権
Ⅲ 富国強兵論への転回
「時事新報」以後
官民調和論
アジア政略
日清戦争観
晩年の思想と生活
年譜
参考文献
さくいん